香りサイエンス

アロマの効果を新聞から学ぶ~記憶喪失を回復させた香りのパワー

2014年2月13日

街角で「あっ、この香り・・・以前付き合っていた彼の香り・・・」なんて体験ありませんか?

 

以前付き合っていた人がつけていた香水の同じ香りを見つけて、ふと立ち止まってしまう、昔嗅いだことのある香りを再び嗅いでその時の記憶が鮮明に思い出されることって、普通の生活の中でも意外とおきやすいことだと思うのですが、ここに面白い過去の事例があります。

 

記憶喪失になった少年に記憶を取り戻させた事例なのですが、これによって香りと記憶の関りについて関心が高まった事例です。

 

ブルースト効果と言います

 

交通事故で記憶喪失になった少年は、親友の名前や親すらも思い出せないことが続き、10年近く記憶が完全に回復することがありませんでした。

 

しかし、ある日突然に記憶の一部を取り戻すことが出来たのです。そのきっかけが香りと記憶の強い関係を指し示すものでした。

 

それは、街で塗装作業のシンナーの香りを嗅いだ時に起こったのです。 塗装の香りから彼が思いだしたのはプラモデル、そしてそれを作っている部屋。

 

さらに友達の顔と連鎖的に思い出してゆき、どんな治療をしても思い出せなかった記憶が香りによって蘇ったということがありました。

 

香りによって記憶が呼び起こされることを、専門用語でプルースト効果と言います。

 

この香りの作用は、私達も身近に感じることが多あると思います。懐かしい香りを嗅いだとき、その時の思い出がよみがえってくることありませんか?そんな香りの力をもっと見てゆくことにしましょう(^^)/

 

香りで記憶力を高めることができるのか

 

テレビ番組の企画のなかで、香りの力で記憶力が変化するかという実験を行ったところ、正解率に変化があったということが放送されていました。

 

偏差値が同程度の小学生15人に香り付きの消しゴムを嗅ぎながら漢字を覚えてもらう。 

まだ習っていない漢字10問を用意。

 

暗記時間は30分。

 

その後2時間別の授業をした後、先ほどの漢字の記憶をテスト。

 

香りを嗅がない状態でのテストでの正解率は75%。 香り付きの消しゴムを嗅ぎながらテストすると正解率は83%。

 

なんと記憶力が1割以上アップした!!という結果が表れました。

 

その他、アメリカのビルメンテナンス会社さんが行った実験で、ある特定の香りを嗅がせることで、タイプミスが減ったという実験結果もあったりと、香りが私たちの能力を高めてくれることは確かめられつつあるようですね。

 

 

追記:映画などでもブルースト効果を観ることができます

 

ディズニー映画「アナスタシア」はもうご覧になられましたでしょうか?

 

この映画の主人公が生き別れになったお婆様との対面で、無くした記憶を徐々に思い出していく場面があるのですが、きっかけは「ミントの葉」を嗅ぐことでした。

 

それからお婆様と自分しか知りえない過去の思い出を話しはじめるのですが、これも、ミントの香りがきっかけとなって、自分が本当に孫であることを証明できるのです。

 

他にも「クレヨンしんちゃん オトナ帝国の逆襲」に、自分の靴のニオイを嗅いで記憶を取り戻すシーンがあるとか(未確認ですが・・・大人心がキュン☆とくるらしいです(笑)

 

「嗅いで記憶が蘇る」という現象は、小説やら映画にバンバン!!出てきます。しかも結構クライマックスの大切なシーンだったりしますので、私は、見つけたら心の中で(あ、ブルースト効果!)って叫んでおります(笑)

 

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